右手には弥生の手、左手にはりんご飴。 わたがしを持つ手は残ってない。 「弥生の左手、空いてるから。」 と、あたしは意地悪く笑った。 弥生はあきれていた。 りんご飴もわたがしも食べ終わり、神社の裏で休憩することにした。 「…やっぱ人混みは苦手だ…。」 弥生は疲れたような声を出した。 「じゃあ、何で祭りに来ようなんて言ったのよ。」 あたしは笑って言った。