「……え?」


奈々子が俺をジッと見る。




「……悪い」


俺は掴んでいた手を離し、そのまま歩き出した。



俺のちょっと後ろを、奈々子が友達と喋りながら歩く。


……あれから奈々子は、俺と目も合わせようとしない。




でも、悪いのは俺も一緒だ。


奈々子に話し掛けられても、目を合わせないから。