「……なあ奈々子」


通学路を歩いていると、忍がいきなり口を開いた。




「ん?……なに?」


忍をジィーッと見る。




「あっ、いや……やっぱなんでもねー」


忍はそう言って頭を掻いた。




「そう?ならいいんだけど……」


この時の私は、忍が考えていることなんて全くわからなかった。