私は忍に駆け寄った。




「おせーっ。どんだけ待たせる気だよ」


忍が唇を尖らせて言った。




「だからごめんって」


私だって遅くなりたくて遅くなったわけじゃないの。




「まあいいや。よし、帰るぞ」


忍が机から降りると、私の手をギュッと握って歩き出した。




私も、忍の手をギュッと握り返した。