「帰って」 彼が図書館に来て、目が合うなり私は言った。 キョトン顔の彼。 「今来たところなんだけどなー…」 「違う…。あなたの星に帰って」 「え……」 顔は見ない。見せない。 だって私は彼が居なくなるのは、悲しいから。 こんな顔の私が帰れなんて言ったって、説得力がない。 「どういう事?」 「昨日お父さんに聞いたの。早く帰った方がいい」 お願い。