「うそうそ。」


あたしの頭に手がポンっと置かれた。


でもそれは一瞬の出来事。


廉はもう、あたしの前を歩いてる。



「ありがとな。」


こちらを向かずに言う廉。


その後ろ姿が照れてるようにも見える。



そんな廉の予想外の行動にあたしは、ただただ顔を赤くするしかできなかった。


やばい、

廉、かっこよすぎるよ。


なんだか心を鷲掴みにされた気分。




恥ずかしいけど、

心はなんだか温かくて、


あたしは愛しいその背中を追いかけたのだった。