鈴side


『廉の彼女はあたしだよ!!!!』


あたしがそう叫んだ途端、悲鳴に近い歓声が上がった。


不思議に思って顔をあげる。


そこには、


あたしの愛しい、


王子様。


『「廉…。」』


奇遇にも、梨花子さんと声が重なった。


廉は梨花子さんを見向きにもせず、こちらに来てくれる。


それが嬉しい。



「何やってんだよ。」


廉が涙を指で拭いてくれる。


指先から廉の愛情がいっぱい伝わってきた。


ごめん。


心配かけて、ごめん。