「あれ…、もしかして鈴ちゃん??」 突然、声をかけられた。 あたしは思わず振り向いてしまった。 『そう、ですけど…。』 この人…。 透き通ったキレイな声。 深く帽子をかぶってるから顔はよく見えないけど…、キリッとした輪郭が見覚えがある。 …もしかして…、 『梨花子さんですか??』 女の人の口の先が二ヤッと笑った。 かと思ったら、今度は勢いよく帽子を脱ぎ捨てた。 「当たり。よくわかったね??今、廉を待ってたんだぁ~。」