廉side


「ねぇ。」


いつものように、ファンにバレぬよう、こそこそ廊下を歩いていたら…、


1人の女に声をかけられた。



あーあ、見つかってしまった。


いつもなら、そう不機嫌になるのだが、さっきいいことがあってご機嫌な俺は笑顔で振り向いた。



『ん??俺に何か用ですか??』

「別に。それより私、麻理って言うんだけど…聞き覚えない??」


麻理…。


俺は頭の中の記憶をたどりよせる。