しばらく無言で抱き合っていた。 お互いの鼓動が、この屋上という空間を静かに支配している。 『ねぇ、廉。』 「ん??」 『あの時の続き、言って??』 至近距離で目が合う。 廉は少し驚いた顔をした。 しかし、すぐに優しく笑うと。 「鈴。俺も…鈴のこと好きだよ。」 低く、甘く、 つぶやいた。 ずっと聴きたくってたまらなかった言葉。 今、やっと聴けたんだね…―――。