「たしか…中田エマちゃんだよね?」 うそ… あたしの名前まで、知ってくれてるんだ…。 「はい。エマです…! 知ってくれてたんですね」 先輩は、少し笑ってから言った。 「エマちゃん可愛いから、初めて会ったときにすぐ覚えちゃった。」 顔が熱くなる。 きっと顔が濃いからだ 生まれて初めて、顔立ちが濃いことに感謝するよ…。 「俺、先帰るわ。」 「え?」 琉唯が突然、あたし達から離れて、そのまま歩いていく。 「じゃぁな」