「……あー、もう!しゃあないなぁっ」 琉唯は自分の頭をかきながら、そう言うと、あたしの腕を掴んだまま、今来た道を逆戻りし始めた。 えっ? 「ちょ、ちょっと!どこ行くの!?」 「更衣室」 はい? 「なんで?」 あたしの言葉に返事しないで、早歩きしていく琉唯。 更衣室って、さっきまで華たちといた空き教室のこと……? あたしは、琉唯の後ろ髪が、軽く風になびいているのを、見つめることしかできないでいて。 わけもわからないまま、あたし達はその空き教室に戻った。