琉唯は、あれから一度も輝先輩の話をしない。 琉唯なりに、あたしのことを気遣ってくれてるのか、ただ琉唯が輝先輩のことを腹立つだけなのか… 琉唯の考えてることは、あんまわかんないけど。 「着替えられた?」 空き教室で着替えていたあたしの様子を、華が見に来た。 「ん。もう少し」 「…ねぇ、エマ。」 「何ー?」 カッターシャツの袖に腕を通しながら、返事する。 「…もう好きじゃないでしょ?」 なぜだか、華の不安そうな顔。 「輝先輩のこと?」 華は、縦に首を振る。