「そのとき花を守りし、虫の三家を《花守りの家》と呼びあらはす也……」
長い話の終わりを告げるように、朝蜘は、そこで間を置いてみせる。
まるで、おとぎ話だ。
本当にあったことだなんて、少し前の自分だったら、ぜったい信じなかった。
香里は、自分を落ち着けるために、長く息を吐く。
「花の家の《館花》、蜘蛛の家の《朝蜘》、蜂の家の《蜂須賀》」
朝蜘が、香里が頭の中を整理するのを手伝うように名を挙げた。
「まだ、あと一人、カマキリの人がいるんですか?」
朝蜘せんせいと、鈴と、まだ一人。
「君は、何をとぼけたことを言っているんだ」


