花の家


『よかろう、その蝶とやら、この蜘蛛が屠ってやろう』


 やっと村人の願いを聞き入れて、蜘蛛は山を下りて来たのだと。

 蜘蛛も強いが、蝶々も負けぬ。

ひらりひらりと糸を避け、大事な花に手を伸ばす。

このさかしい蝶々に、大蜘蛛さまも御立腹。

『この力、御貸ししましょうや』

 蜂が力を貸しまして。

蜂の針の、その毒で、ついには、蝶を追い詰めた。

大蜘蛛さまの御糸で、蝶を強く縛り上げ、力を奪って石の下、深く深く眠らせた。


 その石を《てふ塚》と。