花の家

「それじゃあ、村の人は……死んでしまったんですか?」

 あの風の刃に引き裂かれて。

鈴が、死にかけたように。

「何人も死んだそうだが、村人も殺されるばかりではいない」

 朝蜘は、教師のくせに話すのに飽きてきたといった風だ。

疲れたように伏せられた目が、つと、こちらを向く。

「……花を食す虫は、蜜虫。虫を食す虫は、虫食いと呼ばれる」

 突然、話が筋道からそれたように思った。

その言葉の説明に、どんな意味があるのかと、香里は目をぱちくりさせる。

「村人は、蝶を退治するために、虫食いの力を借りることにした」