花の家

 香里は、それを難なく思い浮かべることが出来た。

思い浮かべる?

いや、違う。

香里は、知っているのだ。

だから、疑うことをしなかった。


「揚羽くん……」

 数百年も前の話だと、言われているにも関わらず。

花人を食べに来た、虫人の名を揚羽だ、と。


「何故、そう思う?」

「え……?」