花の家

 未だに何かの冗談にしか思えない。

香里は自分の中にある血に、実感がもてない。

「大した力ではないと思うかもしれないが、この村のような場所では重宝された」

 畑仕事で生活しているような者たちには、夢のような力だ。

日照り一つで、多くの人間が死んだ時代に、安定した収穫が望める。

「花人、迷い込みし時は、歓待せよ。そんな決まりもあったらしい」


 そして、実際に迷い込んだ。


 村の外れに女性が倒れているのを、老夫婦が見つけたと、伝わっている。

 その肌は白く、顔は花のような美しさ。

夫婦は、かの花人を家に連れ帰り、それは歓待したという。