香里は、堅い枕の感触に身をよじった。

いつもと違って寝苦しい。

んん、と唸って確認すれば、やはり愛用の枕ではなかった。

 わたしは、一体……。

 呆けた頭で状況を考え始めると、香里の顔は、みるみる青くなった。

 揚羽くんが、人間じゃなくて。

 食べられかけて。

 思い出せば、思い出すほど、とても現実とは思われない。

 そうだ、鈴は。

 鈴は、どうなったのだろう。