花の家

「ぐ、う、あああ……!」

 揚羽に反撃の暇を与えぬよう、鈴は突きを繰り出し続ける。

その度に漏れる苦痛の声は、鈴目自身のものだ。

一つも、揚羽には届いていない。

「呪印をほどこさないと使えないような力で、僕に勝てるとでも思ったの」

 残忍な笑みを浮かべると、揚羽は手のひらを広げて、鈴の前に突き出す。

唸る風音と共に、鈴目は地面へ叩きつけられる。

「……痛っ」

「痛いで済ます気ないけど?」

 意識を逃がすまいと頭を振る鈴に、絶対の力がにじり寄った。