花の家

 香里は、目の前で起きた出来事を把握できないでいた。


 鈴の手の甲から、針が突き出ている。


 まるで腕が、途中から剣に変わったみたいに、ずるりと長い針が突き出したのだ。

 あれは何……?

 頭が痛くなる。

だって、鈴は小さいときから一緒で。

普通の男の子で。

「あははは、一人前に虫喰いを気取るつもりなんだ?」

 揚羽が鈴の長針を受け流して、甲高い笑い声をあげた。

鈴の凶器と化した腕には、いつの間にか、文字のようなものが浮かび上がっている。