先週、うちのクラスの女生徒が一人お亡くなりになった。
何故死んだのか、とか、そういうのはあまり詳しく聞いていないので曖昧である。
噂によると、通り魔にあったとかそんなの。
でもぼくはあまり同級生の顔も名前も覚えないのであまり実感が湧かないのが現実。
それだけではなく、ぼくのクラスは全体的に冷めた感じで、一人一人があまり他人に興味がなく、休み時間はいつもシーンとしている。休み時間だけでなく授業もだ。
典型的な不良などギャルといった人物はこのクラスには少ない。いやいない。そういうものを求めるのであれば隣のクラスに行くのがよいかもしれない。
何でも隣のクラスには様々な人間がおり、先ほどいった不良やギャルは勿論、人間に化けた宇宙人やアンドロイドだってなんでもござれ。最近では担任がその教室にいた幽霊にも出席をとっているとか。
そんな隣のクラスではこの話題、つまりぼくのクラスの女生徒が殺されたという事でもちきりだという。


そのような可笑しなクラスでも、一際目立った可笑しな少年がそのクラスにはいる。
いやしかし、その少年は別にその典型的な不良でもギャルでもなく、人間に化けた宇宙人でも火星人でも金星人でもなく、ましてやアンドロイドでも某ネコ型ロボットでも幽霊でもない。
ただの、ぼくのような普通の少年なのだ。
異常がはびこるなかの普通は異常以上に異常で普通でとても目立つ。
平凡とは異常にうもれればときにその平凡がかえって異常となり、その異常が平凡となる。
彼、○○くんはそんな人間だった。