星の唄



「母さん…?」

奏空は信じられない…という顔で満月を見る。
そんな話は満月からはもちろんのこと、楓からも聴いたことはなかった。

鈴音の話す真実に反応するようにプログラムが組まれているのだろうか。
満月は鈴音に想いを残していた。

『…鈴音も来ていたのね。…ごめんなさい。あなたには謝っても足りない。奏空…鈴音の話は本当なの。』

「そんな…。」

鈴音が話したことを真実として満月は肯定した。

『世界中の人を助ける為には、そうするしか他に方法はなかった…。』

満月は俯いた。
当時、彼女も悩んでいたのだろう。
俯く顔は哀しそうな顔をしていた。


奏空と結樹は初めて知る真実に、それぞれの想いを巡らせる。
これはハイそうですか…と聞き入れられる話ではない。

確かに鈴音はもともと被験者で、不思議なことに最初から満月や楓の補佐をしていた。
本来、補佐になる為にはそれなりの経験も必要になる。
もちろん彼女は能力も高いが、経験は何もなかった。

¨特別な何か¨があったからと考えれば、辻褄が合う。


結衣や奏は何を話していいか解らなかった。


…そして、しばらく沈黙が続いた。