「何で、怒ってたの…?」


「お前が気にするような事じゃない」



そんな事言われても…。


「でも、気になる」



私は引き下がらない。


ここで諦めたら、司探しに費やした数十分が無駄になる。




「うざいな、お前」


冷酷な目で私を見下ろし、凍るような口調で冷たく言い放つ。



ゾクッと寒気がした。



この人…うん、ヤクザっていうのも納得出来る。



「私、何かした…?」


司は私を無視して、私とは反対側に歩き出した。


「ちょ、待ってよ司!」




―――ドンッ!!


「きゃっ…」


壁に叩き付けられて、両手を顔の横で掴まれる。

「っ…、司」


「呼び捨て上等」



司はニヤ…と笑って、顔を近付けてきた。