「分かった。今から早速仕事始めるから。もう置いてあるんだろ?」


「ええ。専務もご無理をなさらないでくださいね」


「ああ。……ただ、俺は基本的に働き蜂だからな。しっかりやるよ」


「お願いします」


 彩香は女性の付ける強い香りの香水を振っていて、それが辺りに残り香として漂っている。


 治登はフロアに入ってすぐ左側にある専務室へと入っていった。


 中に入ると、掃除がなされている。


 いい一日となりそうだった。


 仕事の方が山積みで充実した一日が……。


 そしてふんぞり返ったようにして課長席に座り、朝っぱらから週刊誌を読んでいる古賀原の方には一切見向きもせずに……。