本当に愛おしい君の唇

 半分は見せしめなのだった。


「怠け者には容赦しないぞ」という。


 そして治登はそんなことを考えながらも、直美を抱き続ける。


 夏に近いぐらい、温度が上がっていた。


 ホテルのスイートルームでの夜は最高だ。


 治登たちは抱き合い続けていた。


 お互い上に一枚羽織ったまま。


 その後、バスルームへ向かう。


 疲れた体に入浴は一番なのだった。


 体の芯から疲労が取れ、またゆっくり出来るのだから……。


 治登はバスルームに入ると、直美の体に温めのシャワーを掛け、


「髪洗ってあげるから」


 と言い、一回で使いきりのリンスインシャンプーのビニールパックを割いて、振りかけ