「姫香ねえ、輝にいお帰りなさい。」


ドアを開けると翼が迎えに来てた。


「ただいま。翼。」


「ねえ、僕姫香ねえに相談が有るんだ…」


「何?」


私がそう聞くと翼は真剣な顔になった。


「僕、姫香ねえと同じ学校行きたいんだ~。だから勉強教えてくれない?」


「翼、お嬢様が困っておられるでしょ。私がお勉強を見て差し上げますよ?」


「輝にいは執事の仕事をちゃんとやって!ねえ、姫香ねえ~。」


翼はそう言って私の裾を引っ張ってきた。


「僕の勉強見るのってヤッパリヤダ?僕、姫香ねえにお勉強見てもらいたいな。」


翼は子犬みたいに目を潤ませ、まん丸の目を私に向けてきた。