晃一に抱きしめられる前に、輝の声が聞こえた気がした。


でも……輝が私の所に来るはずが無い。


朝からずっと避けられていたのだから。


「落ち着いたかのう?姫香?」

私が泣き止むと晃一は、ゆっくりと私から離れた。


(晃一は優しいんだよ…)


私が苦しんでいる時は昔から慰めてくれた。


こんな優しい晃一だから、まどかとは上手くいってほしい。