耳元で目覚まし時計のアラームが鳴りひびき、ひかるは慌てて飛び起きました。

ひかるの知らない間に、起きる時間も設定されており、目の前には制服や学用品が置いてあるという用意のよさです。


「高田さんかなぁ・・・もうこの流れに乗るしかないようになってる・・・すごいなぁ。」


そしてその後、その高田室長から内線電話があり、ひかるは食事室で食事をすませ、身支度をして本日のスケジュールの説明を聞き、資料を受け取って、学校へと向かいました。


「えっと・・・着いたら、事務室で声をかける・・・あ、ここだわ。」


事務室に声をかけると、担任が迎えにくるまで少し前で待つように言われたので、ひかるは事務室前で待っていました。



「遅くなってごめん。ホームルーム中担任が抜けられない状況だったので、副担任の僕が来ました。君は今日から2年C組でがんばって授業を受けてくださいね。
水口ひかるさん。・・・・ぷっ!」


背後から声がしたので、振り向きざまに言葉をきき、すぐにおじぎをして、それから顔をあげたひかるが目にしたのは、白衣に黒ぶちメガネスタイルの三崎千裕でした。



「ぉ・・・ぉ・・・ぉお・・・・う・・そ・・・わざと面白がってるんですか?」



「いいや。今言ったのは本当。ウソは言わないって言ってただろ。
ま、ちょっとだけ校内でうろつくときは自分を作ってはいるけどな。」



「学院長自らお出迎えって怖すぎます!」



「あ、学院長って呼ぶなよ。三崎先生か千裕先生くらいでな。」



「もしかしてヒミツ?・・・ふふっ、・・・」



「じつは学院長だとバラすから私の言うことをきけ!は通用しないよ。」



「えっ??なんでわかったのかしら?」



「みんないちおう知ってるから。知ってるけど、俺が呼ばれるのが嫌いだというのをよく理解してくれてるいい子ばっかりなんでな。
親しみわく方がいいだろうし。残念だったな。ぷぷっ」