元気あげます!


「できません。先生と生徒なんだし・・・。」


「いまさら、何言ってる・・・!?」


ひかるはブラウスの胸のボタンをはずして、裏側を見せていました。
千裕はメモ用紙とボールペンをひかるに渡しながら、


「あのとき、あんなに熱く愛し合った仲なのに・・・ひどいじゃないか!」


と、でまかせな話をしはじめました。


『松田くんに無理に引きちぎられて気がついたの。
ボタンの中にマイクみたいなのがあるわ。
たぶん、こんなことしたのは裕文様だと思う。
事務服に着替えて仕事してる間に・・・・きっと。』


ひかるも千裕の話にあわせて、


「あのときはあのときだったのよ!もう千裕様に愛情なんて感じません。
私がいてほしいとき・・・いつもいないし・・・。
たまにひょっこりもどってきて、偉そうにしてほしくないわ。」


『本音まぜるなよ!悪いといつも思ってるんだからさ。
悔しいけど、あいつの出方がわかるまで、おまえに何かあってもいけないから授業にもどれ。』


「俺の仕事も理解できないようなやつとは、もう終わりだな。」


「そうね。学校卒業したら、今度こそ永久にさよならなんだから!」


口汚く千裕に別れの言葉を吐きながら、ひかるは目に涙をためていました。

((こうしなきゃ、吉岡さんや幸恵さん、裕昭さん、そして、千裕様、お屋敷で働く人たち、千裕様の会社の従業員の人たちみんな、いつもどおりでいられない・・・。
好きだから離れなきゃ・・・))



ガラッ・・・バシッ!
千裕が人差し指をたてて、メモに「いい方法がある。声を絶対出すな。」とひかるに指示をすると、ひかるの下着以外をすべて脱がせて、保健室外にある洗濯機に投げ込みスイッチをいれました。


ひかるは千裕が着ていた白衣を羽織らされると、千裕は学校の地下通路へとひかるをひっぱって走っていきました。


「はぁ、はぁ・・・ここなら大丈夫。」


「な、何なんですか?学校の地下にこんな通路って・・・」


「俺の秘密基地さ。あ、それじゃ寒いよな。・・・ちょっと待って。よっ・・・と。」