「ぜひ、お願いします。当然、三浦さんのおごりってことで。うふふ」
「はぁ?・・・いいですよ。サウナでもエステでもリクエストがあれば、遠慮なくいってください。」
「あ、冗談で言ったのに・・・そんな、いいですよ。
私はそこまでまだ仕事できてないし、今日もほら、細かい間違いをけっこうチェックされてるし・・・このままじゃ、私、切られちゃいますよねぇ。」
「気にしてるの?確かにできない人は切ると言ってたけれど、水口さんはさぼったり、ウソついたりはしていないでしょう?
僕の周りの人はね、さぼったり、ウソをついたりして、間違えるべく間違えて、仕事がこなせない人がいるんです。
僕はそういう人が大嫌いでね。不慣れとか勉強中な人ががんばってるにもかかわらず、ミスをしてしまうという姿は許せます。
ひかるはそういう人・・・。」
「ひかるって・・・今・・・」
「僕がそう呼んではいけないかな?」
「いえ、いいですけど・・・ちょっとびっくりしちゃって。」
「千裕に悔しがってもらわないと・・・ふふ」
「えぇっ!」
ひかるは千裕が言っていた、痛いという言葉を思い出しました。
裕文は本気で千裕を追い落とそうとしているんだ・・・。
((千裕様は向かって来いって言ってたけど・・・私は・・・どうすれば。))
そんな気がかりなこともあって、ひかるは翌日も、その次も肩をこらせる日々でした。
松田もさすがに、心配になりました。
「はじめてのときより、ひどいじゃないですか。
ガチガチ・・・だ。
ストレスかなぁ?
しばらくお仕事を休むとかできないんですか?
こんなことが続いていたら、肌荒れとか円形脱毛症とかとんでもない症状が出るかもしれないですよ。
さすがに、そこまでは僕はなんとかしてあげられないから・・・」
「大丈夫よ。松田クン優しいね。今でもほんとにこれだけ楽にさせてもらっているんだから、心配いらないって。
あ~でも文字ばかり見てたから、目の疲れあるかなぁ。
保健室行ってお薬もらってくる・・・。」
「あ、ひかる先輩・・・」

