「できるさ。してもらわないと困るし・・・。」


「でもぉ・・・その後の進路ってやっぱり自分で決められないよね。私の場合・・・」


「何かやりたいことでもあるのか?」


「えっとね~パフェとかケーキとか食べれるお店を経営したいの。・・・高田室長と調理の先生に習ってるうちにね、恋する女の子に勇気が出せるお菓子を食べてもらえるといいのにな~なんて、夢みたいなこと考えちゃって。

でも、経営なんて大学行かないとだめだよね。借金抱えてるコには到底無理な話だし、今の段階じゃメイドカフェで働いても通用するかどうか・・・。」


「そだなぁ・・・いきなり経営ってのは金持ちでもリスクが高い。
それに、俺はひかるをメイドカフェなんかへ行かせない。
うちのメイドでいいだろ。」


「うん・・・。今の忘れて。まずは卒業しなきゃ。1年近く残ってるのに、何考えてたのかしら・・・。ごめんなさい、私、あせってるね。

でも、よかった。千裕様に遊ばれてたんじゃなかったってわかっただけでも・・・。
そんなに思われていたなんてわかったのもすごくうれしい。


私、明日からもがんばるからね。おやすみなさい!」


「ああ。がんばれよ。」


バタン!!


((ほんとに、いっぱい思ってくれて、私なんかのために苦労してくれて、ごめんなさい。ありがとうございました。))





その後、空が白々と明ける頃・・・ひかるは千裕のいる屋敷を出て行きました。