「まさか。ははっ・・・」


「こんなに気を遣ってくれなくてもよかったんですよ。
使用人で置いていただけるだけで、もう十分ですから。ほんとに。」



「ひかる・・・」



「こんなお姫様みたいな格好までさせていただいて・・・申し訳ないです。」


「違う、違うって。これはそういう意味じゃなくて・・・」



「今日はたくさん、ありがとうございました。とても楽しかったです。
そろそろもう、帰りましょう。夢からは覚めないと・・・」



「バカか。おまえ・・・気を遣いまくってるのはひかるの方だろ。
俺がプレゼントしたいと思ったから、試験前に予告してここまで連れてきた。
それだけだって。

実際、勉強だってけっこうがんばってたじゃないか。
たぶん、いい線いってるんじゃないかな。

大きな顔してご褒美はもらっとけばいい。」



「テスト勉強とクリスマスだけにしては高価過ぎますよ。やっぱり・・・試験が終わる頃には破産しちゃいます。
こんなのもう、種あかしわかっちゃったらもういただけませんって。」



「あ゛ーーー!うだうだうるさいやつ。
わかったよ、料金分、しっかり取り立てればいいんだろ!」


千裕はそういうと、ひかるを強引に引き寄せ、唇を奪うようにキスをしました。


「んっ!・・・ぐっ・・・」



ひかるは勉強疲れと連続での慣れないプレゼントでの疲れその他で、本当に意識を失いそうになっていました。

抵抗する力も入らなくなって、千裕の声が遠くにきこえます。


「料金の取立ては成功したけど・・・これもヒミツな。わかった?」


ひかるはなんとなく、こくんと頷いてその後はどうやって、自室までたどりついたのか覚えていないまま、クリスマスが過ぎていきました。