『これで終わります』が遠くにきこえ、それでも、ひかるはとにかく屋敷までもどらなければいけないと思って、立ち上がり、足を前に出した途端・・・
「あっ・・・」
空がいっきにくるりと回った感覚で、ひかるは床に倒れてしまいました。
教室が突然騒がしくなり、千裕が慌ててひかるに駆け寄りました。
「少し熱もあるな。病院寄って、連れて帰る・・・。」
ひかるは疲労が重なった上に、少し風邪をひいてしまっていたようです。
結局ひかるが目を覚まして、自分が自室のベッドに寝かされていることに気付いたのは夜になってからのことでした。
ノックの音がして、高田がおかゆと薬をもってきてくれたのでした。
「室長、こんなお手間おかけしてほんとに申し訳ありません。」
ひかるが頭をペコペコさげると、高田は千裕が部屋までひかるを運び込んだことを話しました。
((私・・・教室で倒れちゃったんだぁ。ああ・・・また千裕様に迷惑を・・・))
ひかるは泣きべそ顔でベッドで横になっていました。
何も考えられない・・・クリスマスを前にして、ただ泥のように眠るだけだとばかりにそのまま眠ってしまいました。
そして、待ちに待ったクリスマス・・・なのは、ひかる以外の人の話。
ひかるは昼間をまだボヤ~~~~っと過ごし、夕方になってやっとまっすぐ歩けるようになりました。
高田から夕方の仕事も今日まではお休みをもらい、大事をとってベッドで横になって休みました。
そのまま、クリスマスイブの夜となり・・・
ジリジリジリジリジリ・・・・・・・・
内線で電話が鳴ってひかるはたたき起こされてしまいました。
「いつまで寝てるんだよ!そんなに具合悪いのか?」

