「どうするかなって・・・?」


「どれだけやっても芽が出ないようなヤツだとなれば・・・高田にすべておまえのことはまかせるしかないな。俺は逸材しかいらんから。」


「そんな・・・」


「学校へ行かせるのも、余計な恋愛ゴッコさせるために行かせてるんじゃないぞ。
おまえ、北橋だけじゃなく、生徒会長までたぶらかしてただろ。」



「たぶっ・・・たぶらかすぅ~~~!?そんな・・え?なんで?」


「防犯ブザーの説明しただろ。全部、筒抜けに聞こえてるんですけど。
まぁプライバシーの侵害はしたくないんで、少ししかチェックはしてないんだけど、今日たまたまきいたら、なぁ・・・」



「聞いたのならわかるでしょ。勉強教えてもらっただけです。」



「今のところはな・・・。」



「ひどいです。いくら先生でも・・・今日ほんとに困ったんです。
だから・・・学院長室にも走って行ったのに・・・。」



「そ、そうなんだ・・・来たのか。それはすまなかったな。
じゃ、そのときのも含めて、教えてやるから何をききたかったのか出してみろ。」



口はいじわるでぶっきらぼうですが、千裕はやっぱりみんなのいうとおり、慕われて当然な人なんだとひかるは思いました。



そして、学校、見習い、補習という生活にも慣れてきた頃、学校では文化祭の準備が本格化し、屋敷には末っ子の息子である淳裕がフランスからもどってきました。