「な、なんだって・・・!?
それは、まさか・・・・・。」



「フランスで食事を作ってもらうのも毎日が楽しいかもしれませんからね。
その前にひかるのお父さんのお許しをいただかないといけませんね。
うん、目標があると、これからの仕事に張り合いが出そうだ。」


「ま、待てよ。裕文、おまえ、負けを認めたんじゃないのかよ!
くっ!」




ひかるは幸恵から祝福の言葉をもらっていました。

「ひかるちゃん、よかった。よかったね。
フランスに行っちゃうとさびしいけど、会いにいくって手もあるしね。
相談事もどんどんメールしてきてね。」



「はい。でもその前に、幸恵さんの花嫁姿を見なきゃ。
お祝いしてから旅立ちますからね~~~~。」



「うん。ひかるちゃんにいちばん祝ってほしいもの。」



ひかるが幸恵と話しているとき、千裕は琴美と話をしていました。


「すぐにってわけじゃないけどさ、琴美さんに一生のお願いがあるんだ。」


「知らない。」


「えっ、そりゃないです。おばあさま~~~っ!琴美さん、こと~~みちゃん。
1回きりのお願いなんだ。
それ以上何も望まないから。
頼むっ!」


「しようがないねぇ。明後日、私と1日デートにつきあってくれたらきいてあげようかしらねぇ。ふふふ」



「わかった。つきあうから、きいてほしいことがある。」



「はいはい。ほんとに千裕は優しいねぇ。くくく。」



雨も雪も振らないまま、クリスマスイブが過ぎていきました。

それでも十分地面は・・・固まったみたいです。