水口ひかる18才と1日経過な元女子高生は、父親に連れられて、ある財閥の会長宅へと行きました。

父親の話によると、このお屋敷の主・・・つまり会長って人が高齢と病気で入院を余儀なくされ、ただでさえ、女性の家族が社長夫人たったひとりなのに、女性のお手伝いさんが会長、社長、そして4人の息子さんのお世話で手がたりないそうなのです。

それで、住まいのあるA市の市役所の掲示板にお手伝いさん急募として貼り出されていたのを父親が見つけてきたというわけです。



「三崎さん?・・・あの銀行とか証券会社とかショッピングセンターとか手がけてるあの三崎ホールディングスの??」


「どうだ?相手にとって不足はないと思わないか?
新聞配達や、ハンバーガー屋のバイトよりずっと高給だぞ。」


「そうね。確かにそうだけど、住み込みのお仕事だから融通きかないのが困るね。
お父さんが心配だよぉ・・・。」


「お父さんなら大丈夫だ。こちらの重役さんに事情を説明したら、治療費や生活費は先にくれるそうなんだよ。父さんは少し入院して、体を治して、治ったらちゃんと職を見つける。
それまでは・・・」


「わかってる。私は元気だし、がんばれるから安心して。
でもよかったぁ。体のことが心配だったのに、治療させてもらえるなんて。
私がんばって、三崎様へのご恩返しのためにもお仕事がんばるからね。」



かなり重厚で恐かったお屋敷内で、ちょっぴり勇気が出た。
お父さんは別室で、重役さんとお話があるらしくて、お屋敷の玄関入ってすぐに別行動となりました。

お父さんとは次はいつ会えるのやら・・・。
まさか、毎週日曜祭日休みってことはないでしょうし・・・。




オフィスの応接室という感じのあっさりした部屋で、ひかるは面接官を待っていました。


「お待たせしました。私、三崎ホールディングス専務取締役の三崎千裕と申します。
そして、こちらがあなたの教育係兼、奥係責任者の高田静雄です。」


「は、はじめまして。水口ひかるです。よろしくお願いいたします。」