そっと体を離して、視線を戻すと、ふっと笑っている浅香くんがいた。
「そっか…残念だな。本気で好きだったんだけど 」
寂しげな瞳をして、何か言いたそうに口を開き、また閉じた。
「幸せにね 」
そう笑って私たちに背を向けると、女の子たちが周りを囲み出した。
浅香くんは、いつもみたいに逃げたり隠れたりしないで、優しい笑顔を振り向いていた。
これから違う女の子と恋をして、恋愛していくんだと思うと、少し寂しい気持ちになった。
でも私には、大切な人がいる。
奏祐くんと目を合わせると、何かの合図のようにヘルメットを手にした。
《65へ》



