――あの子、沙木倉くんの彼女かな?密かに憧れてたのに。

――怖いじゃん。絶対危ないって。



周りの視線を気にしながら、私は早足で学校を後にした。


バイクで学校に来るなんて、やめてよ。

でも、沙木倉くんらしいか……。


そんな事を考えていたら、突然目の前が真っ暗になった。


「えっ、ちょっと誰?! 」


覆われた手を掴んで振り返ると、そこには爽やかに笑う浅香くんが立っていた。


「1人で帰ってるの?よかったら一緒に帰らない? 」


何を考えているのか分からないけど、こんな所で私といて大丈夫なのかな。


その場の成り行きで、私は浅香くんと一緒に下校する事になった。




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