放課後。

私はいつものように1人でバス停へと向かう。


こっちへ来て約2ヶ月が過ぎようとしている。


“友達”と呼べる子もまだ出来なくて、寂しい高校生活を過ごしてる。


「はぁ」と小さなため息をつきながら、トボトボと街を歩く。


周りはみんな、楽しそうに笑いながらお喋りしてたり、幸せそうに恋人たちが寄り添って歩いていたり。


それに比べて私って……


なんて切ない16歳。


ふと顔を上げると、すでにバスが停まっていたので、慌てて足を走らせた。


「「「待てこらぁ! 」」」


「「「おい、どこ行きやがった 」」」


何だか周りが騒がしくなって、後ろの方から物騒な言葉が耳に入ってきた。


怖ぁ……何なのさ。


鞄をギュッと体にくっつけながら、さらに足を早める。