私たちは、その赤が消えるのをじっと黙って眺めていた。

空気が冷たくなってきて、肌寒い風が吹いてきた。


「くしゅん 」


くしゃみをすると、奏祐くんがそっとマフラーを巻いてくれた。

すごくあったかい///


「今度は、昼に来ような 」


その笑顔が脳裏に焼き付く。

どうして私は、彼に付いてきたんだろう。

あたたかい気持ちでいるんだろう。

少しドキドキした胸を抑えながら、再びバイクに乗った。


それから家の前まで送ってくれると、「連れ出してごめんね」と心配そうな表情をした。

私は慌てて首を振ると、安心したようにふっと笑みを浮かべて夜の街へと消えていった。




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