翌日もまた行われる塾の授業は、相変わらずだった。
本当は来たくなかったけど、不幸中の幸いなのか、今日は悠里の授業の日ではなかった。
それなのに、ホワイトボードの前に立つ先生が悠里と被る。
悠里のあんなに怒った顔を見たのは初めてで、こんなに悠里のことで泣いたのも初めてだ。
「試験ももうすぐだし、気を抜かないように!」
先生からの痛い指摘で、ようやく現実に戻れるのが今のあたしだ。
授業が終わって、悠里がデスクに向かう職員室を横目に、賑やかなロビーへと辿り着く。
ため息なんて尽きたくないけど、自然とこぼれてしまう。
ダメダメ、考えるもんか……!
落ち込むだけの自分なんてイヤだから、どうにか考えないようにするのに必死に取り繕う。
すると背後からは聞きなれた声が響いた。
「待って、美波ちゃんっ」
ちょうど安堂くんも授業が終わったのか、慌てたように駆け寄ってくる。
昨日のことなんて忘れたかのように隣に並び、ニッコリと笑う。
「一緒に帰ろう?」
もったいないくらい嬉しい言葉だ。
「うん、そうだね」
帰り道の他愛無い話で笑うあたしたちを、すれ違う塾の子たちがもの珍しそうに見てくる。
そりゃそうだ、連日二人で帰っていれば、そういう誤解の目で見られるのもおかしくない。
……誤解じゃなくすれば、イイのかな?
なんて、考えるあたしはズルイ女だ。
スキといってくれている安堂くんに甘えてばっかりで、辛いことから目を背けているのだ。
本当は来たくなかったけど、不幸中の幸いなのか、今日は悠里の授業の日ではなかった。
それなのに、ホワイトボードの前に立つ先生が悠里と被る。
悠里のあんなに怒った顔を見たのは初めてで、こんなに悠里のことで泣いたのも初めてだ。
「試験ももうすぐだし、気を抜かないように!」
先生からの痛い指摘で、ようやく現実に戻れるのが今のあたしだ。
授業が終わって、悠里がデスクに向かう職員室を横目に、賑やかなロビーへと辿り着く。
ため息なんて尽きたくないけど、自然とこぼれてしまう。
ダメダメ、考えるもんか……!
落ち込むだけの自分なんてイヤだから、どうにか考えないようにするのに必死に取り繕う。
すると背後からは聞きなれた声が響いた。
「待って、美波ちゃんっ」
ちょうど安堂くんも授業が終わったのか、慌てたように駆け寄ってくる。
昨日のことなんて忘れたかのように隣に並び、ニッコリと笑う。
「一緒に帰ろう?」
もったいないくらい嬉しい言葉だ。
「うん、そうだね」
帰り道の他愛無い話で笑うあたしたちを、すれ違う塾の子たちがもの珍しそうに見てくる。
そりゃそうだ、連日二人で帰っていれば、そういう誤解の目で見られるのもおかしくない。
……誤解じゃなくすれば、イイのかな?
なんて、考えるあたしはズルイ女だ。
スキといってくれている安堂くんに甘えてばっかりで、辛いことから目を背けているのだ。