「……あのっ!!」

「……なんで」

……?なんで??

男の子の瞳からはなにを思っているのか読み取ることが出来ずに、あたしは小さく首をかしげた。

「なんでそんなに無防備なの?」

「っ、無防備なんかじゃっ……」

「無防備だよ。こんなところで寝たりして」

"こんなところ"……?

男の子の言い方が少しだけ気になった。

「それは一人になりたかったからで……」




……色々悩んだりした時は、静かなところで落ち着かないと




みんなの前で笑えなくなっちゃうから……。




「一人になりたかったの?」

男の子の問い掛けに、あたしは素直に首を小さく縦にふる。

あたしが応えると、男の子は繋いでいる方じゃなくて、もう片方の手をあたしの顔に伸ばした。

その手は目もとで止まり……、




「一人にしないでって、泣いてたのに?」




何かを指ではじいた。

……っ!

「泣いて、た?」

目もとを触ると、まだ新しい涙が溜まっていた。




――――またあの夢を見たから……