あかねいろ【BL短編集】




兵助はさっき言った予定をふっ、っと思い出し、目線を落とした。


「あのなぁ、さっき言った予定は用事があったり他の奴らが勝手に入れただけで、別に用事があればお前とも行く」


ぐすり、と涙でぐちゃぐちゃになった顔を自分の袖で拭く。

せっかくの良い男が台無しだ。




告白だって、本当はするつもりなかった。

したとしても、もっとカッコ良いシチュエーションを想像していた。


(…ぅ…カッコ悪ぃ…)


そう思いながらも、さっき清士郎が言った言葉を頭の中で何度も復唱した。

(嫌いじゃない…嫌いじゃない…)


その言葉にふいに口元が緩んでしまい、袖で隠した。

だが、赤くなった頬と耳は隠せない。




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