帰りの車中 ─プルルルー 亜梨子に電話を掛けた ─プッ 『もしもし玲音?』 何回かのコール音の後に亜梨子が出た 「うん、」 『どうしたの? 今日は婚約者の家に行くんじゃなかった?』 「もう行ってきた」 『えっ!早くない?』 「うん……亜梨子は学校?」 『当たり前じゃん(笑) いま休み時間中』 「俺も学校行きたいな、」 『…元気ないね?何かあったんでしょ?』