私の思いとは別に、日向さんの口から出た言葉


「も、いいや…俺の人生…どうなっても…」


「へ?日向…さん?…」


キュッ…


私を抱き締める力が強くなる


「イタリア行くの…やめる。嘘つきの姫、放って行けないし」


「ダ、ダメだよ!イタリア行かなきゃ!契約でしょ?」


私は焦って、抱き締められていた腕をすり抜け、向かい合った


「イラストは日本で描くし…俺は、姫の近くにいたいんだ」


日向さんの手が私の方へ伸びてくる


「日向さん、私はさっきも言った通り大丈夫だから、イタリア行ってよ!イラストレーターとして活躍してよ!私を口実に、行かないなんて…言わないでよ…」


私は日向さんの為に、わざと突き放すような言葉を浴びせた


本当は嬉しくて仕方なかったのに