教室には誰も居ない。


そんな室内を、夕日が真っ赤に染め上げていた。





そこから見える校門には、もう成巳先輩の姿は見えない。





「…っ」

あたしはその場にしゃがみ込んだ。



成巳先輩…

あたしやっと吹っ切れると思ったのに…

成巳先輩への想い
忘れかけてたのに…



あたしの瞳からこぼれる涙の1つ1つに成巳先輩への気持ちが詰まっていた。



流しても流しても減ることのないその想いは、あたしのスカートに幾つかの斑点を作った…。