会場中の女性達が悲鳴を上げ、陸の傍から離れる。
「妃芽ッ……!」
楠社長がお嬢様を止めようと叫ぶが、もう聞こえてはいない。
お嬢様の目は、犯罪者そうものだった。
髪を振り乱し、真っ赤な振袖は自身の血でさらに紅くなっている。
袖をひるがえし…袂(たもと)は着崩れ……
もはや―――
鬼女の容貌だった。
「………!」
そうか。
そういうことね。
お嬢様のしたいことがようやくわかった。
「……陸に指一本でも触れてみなさい。地獄へ落としてやる」
じいちゃん……護るためなら
使っても良いよね?
陸の方へあたしも走り出す。
「縛縛縛…不動縛―――――!」


