杏が…………いない……?
いやっ…近くにいるはずっ……
キョロキョロと周りを見るが……いない。
どこ行ったんだよ!?
「誰か探してるの?」
「えぇ……俺の彼女を」
「「「「「えっ!?」」」」」
周りの女達とか、どうでもいい。
マジで杏がいないんですけど!?
ポケットから携帯を取り出して、電話を掛けてみるが……
『電波の届かない場所に―…』
どこ行ったんだよ、あの天然鈍感娘は!?
すると―…
「陸?」
「滝本君?」
知ってる声から呼び止められた。
「悠………松沢………」
「あら?杏樹は?」
松沢からの問い掛けに、タラーリと背中に冷たい汗が流れていく。


