祥お父様やあずさお母様…その他のお客さんに挨拶をすると

お母さんがお茶を煎れてくれた。



受け取ると、じいちゃんがテーブルの上に様々なファイルを並べる。



分厚くて何冊もあった。



「なにこれ?」

「――中を見てみなさい」

「あたしが?」

「見ていないのは杏樹だけよ。
皆さんはもう見たから」

「へぇ………」



湯のみを置き、ひとつのファイルを手に取って中身を見た。




中にファイリングされていたのは


ある会社の経営内容――



その“ある会社”とは“楠財閥”だった。



ぱらぱらとファイルをめくっていくにつれて、内部関係のものがたくさんあった。




次々とテーブルに並べられたファイルに目を通していく。